ケータイ小説 野いちご

無気力系男子がホンキを出したら

無気力君のホンキ



無言睨み攻撃から解放されたのは、昼休みの終わりを知らせるチャイムが鳴って先生が教室に来てからだった。


授業が始まると、風斗はいつものように机に突っ伏して寝始めた。


そう、これはいつもと変わらない風景。



なんでこんな時に寝れるのよ。


ホント無神経。


バカ。


あたしはこんなにも、あんたのことがわからないっていうのにさ。



はぁ。



「住田さん」



「えっ!?あ、わわっ」



目の前に佐古君のドアップがあって思わず仰け反る。


ボーッとしてる内に授業はおろか、HRも終わっていたみたいで教室からクラスメイトがどんどん減っていた。


風斗もすでにいなくなっていて、いかに自分がぼんやりしていたかということを実感させられる。



「そんなにビックリしなくても。そろそろ行こうか」



「あ、うん。待ってね、帰る準備しなきゃ」



机の横にかけてあったカバンを取って、持って帰らなきゃいけないものを適当に詰めた。



風斗だったら、こんな時『早くしろよ』とか『待つの面倒くさいから先帰る』なんて言うんだろうな。


やだ、あたしったら。


なんで佐古君と風斗を比べてんのよ。


佐古君は風斗とは違うんだから。


比べちゃダメ。


そう思っても頭から離れないのはなんでだろう。


常に風斗の存在を意識しちゃってる。


面倒くさがり屋で、何に対しても無関心で、何事にも興味を示そうとしない風斗のことを。



ダメダメ。


やめやめ。


風斗のことを考えるのはもうやめよう。


あたしにはもう関係ないんだから。



佐古君と並んで昇降口まで来た時、靴箱に寄りかかる風斗の背中を見つけた。


風斗の前には赤い顔をした瀬川さんの姿があって、何やら話し込んでいる様子。


ズキンと胸が痛んだ。



< 17/ 20 >