4月になり、わたしとカナは高校3年生になった。

カナとはまた同じクラス。
今年はおじさまにもパパにも、カナが先に手を打っていて、わたしが口を出す隙はどこにも残されていなかった。

14年目の同じクラス。

大学にはクラスなんてあってないようなものだと聞いた。



だから、もう良いかな……と思った。



去年、わたしがおじさまに『カナと同じクラスにしてと頼まないで』とお願いした後、もしカナが何もしなければ、間違いなく別のクラスだったのだと聞かされた。

おじさまやパパが、「あえて同じクラスにする必要もない」と言うことが、遠回しに「別のクラスにしろ」と同じ意味になるのだと、カナは、とくとくとわたしに説明した。

どっちにしてもクラス編成を操作することになるなら、



……もう何もしなくても良いかな、と思った。



それに、高校生活最後の年。

できたらカナと同じクラスが良い。

どこかで、そんな甘えた気持ちもあって、そんな自分が嫌で、心がまたもやもやを抱え込む。

だけど、何を思ったって、もう何も変わらない。

現状をそのままに引き受けるしかないんだ。



3年間同じクラスだったのは、しーちゃん、斎藤くん。

この二人のことまで誰かが頼んだのかどうかまでは、分からないし知らない。

聞く予定もない。



去年と引き続き同じクラスの子も、1年ぶりに同じクラスの子もいる。



そして、2年間隣のクラスだった田尻さんが、小学生の時以来、久しぶりに同じクラスになった。