「ももこさま、とてもすてきです!」



モリアが声をあげ楽しそうに言った。
私は、今まで着たこともないような綺麗なドレスに身を包み鏡の前に立っている。

本来なら、こんな綺麗なドレスを着て心も踊るはずなのに、私の気持ちは沈んでいく一方。



それもこれも、あの最低男のせいだ。



「会場へは、太陽ノ神ヨウさまがエスコートしてくださるそうです」

「・・・そう」

「その時まで、しばらくのんびりとしていてください」




のんびり。
そんな呑気になれる気分じゃない。

パーティだって出たくなんてない。


私はここになんていたくないのに。




私はどうしてここにいるんだろう。
そんな思いばかりがずっと頭にある。



どうして私なの?
他の誰でもいいじゃない。