「ももこさま。紅茶お持ちしました」




しばらく呆然としていた時、扉の向こうからノックの音とそんな声が聞こえた。
え、今、私の名前・・・?



入ってきたのは、幼い顔をした燕尾服を着た男の子。
白髪の短くそろえられた髪。




「初めまして。僕はモリアと申します。本日よりももこさまの専属執事をさせていただくことになりました」

「どうして、私の名前・・・」

「カインさまから伺いました」

「え・・・?」



私、名前なんて言ったかな。
というか、あいつの口からあいつ自身の名前すら聞いていないし。



「カインって、どんな人なの」

「カインさまは、とても素晴らしい方です。個性的な神々を纏められる唯一のお方ですから」

「個性的・・・」

「はい。そのうち、ももこさまもお会いになると思いますよ」



モリアはにっこりとかわいらしく笑った。
キュン。
なんてかわいいの。