☆桜side☆

「たか…なし…先生?」

小鳥遊先生が私の部屋に居る…。

「すまん。起こしたか?俺がここに居る理由か?桜の家の鍵を持ち帰ってしまったから届けるついでに様子を見にきた。」

多分、私がここで寝てると言うことを考えて小鳥遊先生が昼間運んでくれたんだろうな。

でも…

「普通、女の子の部屋にずかずかと入ってきます?」

そう言うと、先生はすこし顔が赤くなった。

「ま、まあそうなんだが気絶してるみたいに寝るからだな…。」

そうやってモゴモゴする。

「ところで桜。こいつ…しょうゆって何なんだよ…。」

そう言って、小鳥遊先生の足元に居る私の愛犬しょうゆが遊んでと合図を送っている。

「前飼ってた秋田犬が大豆って名前だったんです。」

小さい頃家にいた大豆ちゃん…散歩してたら逃げちゃって…。

戻ってきたら大怪我してたこともあったな…。

「なんで熟成させたんだ…。」

「ほんとは、絞って豆乳にしようか、あえて絞りかすのおからにしようか、あえて発酵させて味噌にしようか迷ったんです。」

「大豆から離れる手はなかったのか?!」