「…朱莉、起きろ」
「・・・う~ん」

「・・・ったく。遅刻しても知らないぞ」
「・・・ふぇ?・・・」

まだ、まどろみ中の私の耳に、そんな声が聞こえて、飛び起きた。

・・・またしても、しっかり身支度を整えてる司。

…方や、低血圧で、朝がめっぽう弱い私は、やっと起床。

慌ててベッドから起き上がり、時計を見ると・・・


「…司!ウソついたでしょ?!」

と、怒った声で司に言い放っていた。

だって、出社するまでには、まだまだ時間があった。

そんな私を可笑しそうに眺め、笑っている司。


「だってお前、優しく起こしたって起きねえじゃん」

そう言ってにんまり笑った。

・・・まぁ、確かにそうだけど。

「…起こしてくれて、ありがとう」

…起こしてくれた事には、感謝しなければならない。

起こしてもらわなかったら、たぶん、何時までも起きてなかっただろうから。

「正直でよろしい」

そう言ってニコッと笑った司は、私にチュッとリップ音を鳴らしてキスをした。