…眠れなかった。

…何で、あんな事したんだろう。

確かに怖さはどこかに吹き飛んでしまったのは本当だけど、まさかあんな事するなんて思いもよらなかった。

…ここに来た当日のキスは、事故だったから、あまり気にしないようにしてたけど、今回ばかりは事故ではない。

…司は、どんな思いでキス、したんだろう。

まだ眠る司を起こさないように起き上がると、リビングに向かう。

ソファーに体操座りして、ぼんやりと考える。

…どれ位時間が経ったのか、司が起きてきた。

「おはよ…今日は珍しく早起きだな」
「…え?…あ、うん」

…気にしているのは、どうやら私だけらしい。

「…ご飯、作るね」

司にとっては、特に意味のない行動だったのかな。…そう思うと、むねがいたんだ。

…何で、1人で傷ついてんのかな