イライラしながらも、仕事をこなして、出来上がった書類をあの男子社員のデスクの上に置き、食堂に向かう。

親子丼を頼み、席を探す。

「あ、朱莉こっちこっち」

そう言って手招きしたのは、久美だった。

午前中の司との出来事を愚痴る。

「…朱莉に変な虫がつかないように追い払ってるんだよ、それ」

「…また始まった。久美の勘違いだって。司が私の事、好きなわけないじゃない」

そう言って、親子丼を口一杯頬張った。

「相変わらず食べっぷりいいわね」
「…そう？」

「私の前だからいいけど、男の前で、その大口は止めた方がいいわよ」

「…」

「朱莉は可愛いんだけど、自覚がない上に、性格が子供っぽいから、色々気をつけるべき」

「…気をつけるよ。…っていうか、私って、そんなに子供っぽいかな？」

ちょっと、ショック。