それからも咲間からのどうでもいいパシりが続き…。


事が大きく動いたのは明化祭1週間前のことだった。


「貝崎さん少しいい?」


明化祭の準備で追われてる時に、田中くんから声をかけられた。



「いいけど、どうしたの田中くん?」



「ここじゃちょっと…ついてきて」



好きな人から声をかけられ、ドキドキしながら先を歩く田中くんの後を付いて行く。



「ここなら大丈夫かな」


ついたのは校舎裏。



「貝崎さん、明化祭は誰と回るかもう決まってる?」


「明化祭?えーと…今のところ、誰も…」



夏夜は午前は従兄弟の高月くんと、午後は彼氏の安山 灯くんと回るって言ってたし…。