今日から俺は中学1年生だ。
 
 この格好いい制服を早く着るのが
 楽しみでしょうがなかった。

 「ネクタイって難しいんだよな…
  こうか!? 何か違う感じがするけど
  まっいっか。」 

 ネクタイを自己流で結び、なんとか支度 を終えて
 朝御飯を食べるためにリビングへ向か  う。

 「母さんー! 今日の朝御飯は?」

 「雷斗おはよっ…て!? 何そのネクタイの
 結び方…」

 やっぱり、間違ってたか…

 「凄い綺麗に結べてるじゃない!!
  良かったわ、お父さんは全然結べない  から心配だったのよ。」

 確かに父さん自分で結んでから母さんに
 結んでもらってたな…

 情けない父親を持ってしまったと
 朝から絶望感が漂ってきた。



 それから朝食のピザトーストと近所で
 人気のあるイケメン店長のパティさんが
 農園で作ってる桃を摘まんだ。

 やっぱり、パティさんの作る果物は
 ひと味違うな
 
 母さんもパティさんが作った蜂蜜を
 パンに塗りたくって食べている。


 帰ってきたらパンケーキでも焼いて
 蜂蜜をかけて食べようとするか…
 
 そう思いながら歯を磨き、顔を洗い
 学校に行く準備を整え玄関に行く。

 すると呼鈴がなり、ドアを開けてみると
 幼稚園からの腐れ縁の 中嶌光矢が
 いた。

「おはよーのな!! 今日から俺たち中学生
 だな。」
 
 光矢は俺と違いブレザーの制服を
 きっちりと着こなしてる。

 全くムカつく奴だぜ