ギュッと目を瞑った。


今起こっている出来事を受け止められなかった。


全身に力が入る。


気持ち悪い感覚。


っ！？


いきなり体が軽くなって、手首と手足も軽くなった。


騒がしかったのに急に静かになって、恐る恐る目を開けた。



「みのり、外に出てろ。」



今まで見た事がないくらい怖い顔をした桐生君が立っていた。


慌てて体を起こしたけど、ホッとしたら力が抜けて立ち上がれなかった。



「テメー覚悟できてんだろうな？」

「は？　あんたらこそ覚悟できてんの？　みのりに手ぇ出した事、死ぬほど後悔しやがれ！！」



私を含め女子全員が唖然と見つめる中、桐生君対上級生の喧嘩が始まった。


桐生君一人に対し相手は数人いるのに、桐生君の方が優勢に見えた。