中休みにうちのクラスに三年生の阿久津先輩と綾瀬先輩が訪ねてきた。


勿論桐生君のところにだ。


阿久津先輩は遠くから見ても、近くから見ても綺麗だ。


綾瀬先輩は阿久津先輩みたいに派手さはないけど、知的で大和撫子みたいな人。



「美月ちゃんから預かってきたよ! 忘れ物!!」

「おーサンキュ。」

「『おーサンキュ。』じゃないわよ! ほんっとに昔から忘れ物が多いんだから!! いい加減しっかりしなよね!」

「えー柚にだけは言われたくねーんだけど。 お前だってこの前ブラとパンツ忘れてったじゃん。」



桐生君の言葉にクラスに居る人たちが一斉に反応した。


その中でも過剰に反応したのは言うまでもなく笹野さんだった。



「柚先輩!! みことはどういう関係なんですか!?」



まだ関係教えてなかったの!?



「ただの幼馴染だけど? もー尊が誤解を生むような事言うからだよ? 買った下着を忘れて帰っただけじゃん。」