「何緊張してんの?」

「逆に何で緊張しないの?」



駅から家まで歩きながら私の心臓はバクバクだった。


それなのに尊はいつもの調子でヘラヘラ笑ってる。


普通逆だよね?


彼女の家に行くんだから、彼氏の方が緊張するんじゃないの?


遊びに来る感じで尊が家に来るのは初めてだ。


家の前で止まって深く深呼吸した。



「何してんだよ。 入ろうぜ。」

「入るけど……ちょっと待って。」

「変な奴。 ってかやっぱ戸建てもいいよなー。」

「尊の家はマンションなの?」

「そっ。 セキュリティーの面でうちはマンションなんだと。」



セキュリティーの面でって……どういう事?


尊のお母さんはそこまで過保護に見えないし、話しを聞いているとお父さんもそんな感じの人じゃない。


尊の家は謎だらけだ。