しかも龍樹のクラスも同じく先生がいなくてこれで終わり。


周りはさっさと帰る準備をしてるけど、私だけなかなか進まない。


だって帰りたくないんだもん…。


あんなこと言っちゃって、どう接すればいいの…….?


なんて考えていると、ガラガラと教室の扉が開いた。



やけにその音が響いたので周りを見渡してみると、もうすっかり人はいなくなっていて、
私一人だった。


もしかして、龍樹が来たのかな……?


そう思って見てみると、そこにいたのは予想通り龍樹だった。


「龍樹っ…」


いざ本人を目の前にしてみると、やっぱり緊張する…。


「帰るぞ」

「…うん」


龍樹、いつも通りだけど、私が言ったこと気にしてないのかな…..?


と思ってたけど、荷物を持って教室を出てもいっこうに手が繋がれる気配がない。


いつもならここで手を繋いでくれるのに…。


今日は繋いでくれないってことは、やっぱり気にしてるのかな….。


「……」

「……」


言葉を交わすこともなく、ただただ歩く。