「葉山、もうあいつと関わるのはやめとけって」


「なんで石原くんに、そんなこと言われなきゃいけないの?」


「心配なんだよ! あの日、俺が気づかなかったらお前、ずっとあそこに閉じ込められたままだったんだぞ?」



こないだの一件から、石原くんはそればっかり。


あいつって言うのは有馬くんのこと。


有馬くんと一緒にいて、閉じ込められたあたしのことを心配してくれてるんだろうけど……。


でも、そんな言い方しなくてもって思う。



「その冊子だって、大変なら俺が手伝うし……」


どこか頬を赤く染めながら、そんなことをつぶやく石原くん。



「いいよ別に。もうできたから」



昨日、夜遅くまで家で頑張った甲斐あって、たった今、あたしは冊子を完成させた。