あの日以来、あたしは有馬くんと気まずくて喋ってない。



いや、ただ単純にあたしが一方的に気まずくなってしまってるだけなんだろうけど……。



それだけじゃない。




「はぁ〜」



「美月、大丈夫?」



梓が心配そうに聞いてくる。



「平気だよ。ただ、最近居残りが多くて……」



「ああ、例のアレか。 美月もお人好しだよね。こないだの球技大会の説明のとき、誰もいないからって自主的に実行委員になるなんて」



梓の言う通り。


あたしはこの前、自ら球技大会の実行委員……しかも代表になってしまった。


だから、放課後は残って球技大会の冊子を作らなければならない。


期日も残りわずかで、他の実行委員の子達も手伝ってくれる様子はなく、あたしひとりでチームや競技種目も振り分けて作っている最中。



それが全クラスとなると、これがまた大変なのだ。