「美月って言うんでしょ?同クラの子から聞いたよ〜」



「…………」



「美月ちゃん、今日は実行委員お疲れってことでどっか食べに行こうよ!」



「……あの、朝霧くん」



あたしは目の前でマシンガントークを繰り広げる彼を、ジロッと睨んでしまった。



「ちゃんと仕事してくれないかな?口動かしてないで、まずはこの冊子を留めるの手伝ってくれないかな!?」



「ちゃんと口動かしながら、手も動かしてるよ」



言われてみれば、確かに彼は器用に話しながらホッチキスで冊子を留めている。



……うっ、言い返せない。



「美月ちゃんって優しいけど容量悪くて、そのクセ意地っ張りなんだね」



パチンとウィンクしながら、そんな風に言ってみせる朝霧くんにイライラが募る。