棗先輩との一件も落着し、再び平凡な毎日が戻ってきた。



最近、有馬くんはまた新しい絵に取り掛かってるみたい。


放課後、すぐにどこかへ行ってしまうことが多々あるから、きっと美術室か旧図書室で絵を描いてるんだろう。



球技大会も終わったことだし、次にやってくるのは期末テストだ。



「葉山、マジで頼む!俺に勉強を教えてくれっ!」



昼休みに数学のノートを持ってあたしに頼み込んできたのは、石原くんだった。



「え、あたし? あたしもそんなに数学得意じゃないよ?」



「嘘だ! 得意でなくても俺より頭いいだろ!?とりあえず追試プラス夏休みに補修だけは勘弁だから、マジ助けて!」