ーーー5月。

GWも、あたしも弟の裕貴のとこも野球部は休みなく練習があったけれど、一日だけ午前練習だった日の昼下がり。


久しぶりに幼なじみの加藤家一家と夕ごはんでもってことで、ごはんの前にあたしの家に集まった。

大人たちはリビングでくつろぎ、幼なじみ四人はあたしの部屋。


「それじゃ、私お菓子でも買ってくるね。
みんなもなにかいるものある?」


なにかお菓子でも買ってこようかという、あたしとは見た目も性格も正反対のおとなしめで、清楚で気の利く、ひとつ年下のみこ。


「俺もついていくよ」


みこが立ち上がると、即座に後を追う裕貴。


「ごゆっくり~」


絶賛片思い中の弟に、ニヤけた視線を送ると、視線だけで殺されそうな目でにらんできた。ほんっとに可愛くない。