7月20日(土)、まだ夏休みに入る前の今日。

うちの地区の、甲子園地区予選の決勝が行われる。


「まさかここまでくるなんてね」

「うん、でもここまできたら絶対甲子園行けるよ」


半袖のセーラー服を着た理穂と、決勝戦前の控え室、部員からは少し離れたところにたっていた。

いつもは私服のあたしたちも、さすがに試合の時は制服着用。


そう、なんとあたしたちは順調に勝ち上がり、あとひとつで甲子園というところまできてしまった。


まあぶっちゃっけあたしらのレベルが高いってよりも、うちの地区のレベルか低いってのもある。

裕貴たち銀月館や強豪校揃いの上に、参加校も多い隣のブロックとは違って、隣の半分の参加校数。

うちの地区からの出場校は、甲子園は毎年一回戦負け。


いくらブロック自体のレベルが低いっていっても、ほぼ一年生でしかも10人しかいない、出来立てのチームの星が丘が、五回も勝って甲子園間近までこれたのは奇跡。


これも、イケメンキャッチャーで愛しのダーリンの一輝くん......と、毎試合ホームラン打つ勢いで大活躍の敦士、と。

あとは、一人で完投しているエースのみのるのおかげ。

敦士の言うように、他がビミョーでもピッチャーがすごければ、ある程度のとこまでは勝ち上がれるってのはホントなのかも。

みのるサマサマだ。