「それにしても、まさかこのテーブルを10人で囲う日が来るとは.....」


市河が10人でテーブルを囲うその眺めに感嘆の声を漏らす


今までスペースを持て余していた大きなテーブルも、使われず眠っていた椅子を引っ張り出すとぴったり10人で囲うことが出来た


4人と4人が向かい合い、余った2人は誕生日席に座る形で収まっている



今回は仲良くなることを目的として、席順は1年、2年、関係なくランダムだ


「でも斎藤先生が来たら入る場所がなくなっちゃうねぇ.....」


景のその言葉に、2年生の4人は「忘れてた」の一言を飲み込んで「.....確かに」と頷く



「ま、そこはどうでもいいだろ。とっとと始めんぞ」


若干酷いライの言葉に反応して、真っ先に手を挙げたのはその横に座っていた男の娘.....いや、男の子、飴屋満宵だった


「はいっ!ここは1年生からっていうことで、ボクからでいいかなっ」


積極的なその姿勢に、2年生5人は「おー」と期待の目を向けて彼を見る


この子に関しては容姿、言動含めて気になっていたところでもあった


こうして自己紹介は、彼から始まった



「はじめましてっ!魔術科、音属性の魔法使い、飴屋満宵です。よろしくお願いしますっ」