二日後にはすっかり調子を取り戻したけれど小林君がいるほうを見れない状態が続いていて。

みゆきにはすぐに気づかれてしまった。

「香織? 一昨日保健室で絶対何かあったでしょ……?」

休み時間に私の席のところに歩いてきたみゆきが目を細めてじいっと見てくる。

離れていても教室には小林君がいるし他の人もいるから何とも言えなくて、笑ってみたけどみゆきの視線が強くなるだけで。

「今日は部活が休みだから放課後ファミレスで話を聞くからね。いい? 逃げたら怒るからね?」と念をおしてくるみゆきに嫌とは言えない。

私はあいまいに笑ったままコクンと頷いた。


***


前にみゆきと来たファミレスに入ると平日だからかお客さんはまばら。

その中でもまわりに人が少ないテーブルに座らせてもらう。

「さあ話を聞かせてもらうからね」

向かい合わせに座ったみゆきは横の椅子に鞄を置くとそう切り出してきて、私は小林君に告白らしきものをされたと言った。

「香織……。それってらしきものっていうか絶対告白だと思うんだけど」

はあっとため息を吐いて「小林くんが可哀相」と言ってくるものだから、私はアルバムを買った日のことも説明するしかない。

「でも、アルバムを買った日にそのお店の中で知らない女の人といる小林君を見たんだよ?」

「どんな関係かは聞いてないの?」

「怖くて聞けないよ……。小林君すごく楽しそうだったし」

話の途中で注文して運ばれてきたオレンジジュースを一口飲んで意味もなくストローを動かす。

カラカラと氷同士のぶつかる音が軽快で今の私とは反対だ。

「うーん……。冗談とかで告白するような人には見えないけどなぁ」