ライオンと遭遇し、校舎の三階から昇降口まで逃げてきたオレたちは、そこでトラの姿を発見した。




昇降口にも土が敷き詰められ、そこには短い草がまるで草原のように生えていた。




トラはそんな昇降口の下駄箱の影で、まだオレたちに気づかずに歩いていた。




オレはトラのその様子を見て、ライフル銃を握りしめた。




逃げるべきか、戦うべきか。




オレは早鐘を打つ心臓の鼓動を感じながら、生死をわけるその選択をしなければならなかった。