「ねぇねぇ。聞いてよー!彼がさぁ…家に来いっつーの!」
「あたし、明日デートなんだけど服が全然決まんなくてぇ…」



朝から私の周りで始まるのは彼氏自慢。
彼氏がいない私にとっては、『こんなの私に対する嫌味だ!』としか思えない。
私ってそうとう捻くれてる。


私の名前は仁科 妃南。彼氏いない歴=年齢。という悲しい現実。
周りの友達はすでに彼氏がいて、私よりオトナって感じがする。


「ねーねー、妃南は彼氏つくんないの?」

なんて言われることもよくある。
そりゃ、彼氏が欲しいって思ったことは何度だってあるけど…恋愛の仕方なんてわかんないし!
だって、彼氏一回も居なかったわけだし。


──…そしてその晩。
私はネットで、あるモノを見つけた。


『レンタル彼氏あります。年中無料で用途は自由。お気に召さない場合には返却も可能、詳細はこちらまで。』


というとっても怪しそうな広告。