ケータイ小説 野いちご

王道恋愛はじめませんか?

出逢いは突然に。




――『『『キャアアアアーーっ!』』』


ドーム内に、ファンの歓声が響き渡る。

その歓声に応えるかのように、聞き覚えのあるメロディが耳を掠めた。

遠くのステージには、日本で絶大な人気を誇る、国民的5人組アイドル、"Shine"が、曲に合わせて踊っている。


ステージとの距離が遠すぎて、彼らの表情や衣装なんて肉眼では見えないけれど、ドーム内に設置されているライブモニターや耳を叩く彼らの歌声が、確かにこの場に彼らがいるということを証明していた。

初めてのコンサート。

彼らのファンでもなんでもない私がここにいるのは、隣で彼らと同じダンスを完コピしてノリノリで踊っている友人に今回のコンサートを誘われたからである。


ファンではない私でも、彼らのシングル曲くらい聞いたことはある。

それに、生で見る彼らは本当にキラキラして見えて、友人が大ファンになるのも分からなくはない。

だから、退屈というわけではなかった。


――ただ、やっぱりこのような場に、ファンではない私がいるのは、ふさわしくない気がしていた。


『今日も楽しんでいこうぜーーっ!』

『『『きゃああああーー!!』』』


それでも、初めて見るコンサートはとても刺激的で、嫌なことなんて忘れさせてくれるようで、次第に心が開放的になっていくのに、時間はかからなかった――。



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