「結香ちゃん」


気がつけば、そこに天使がいた。

体育祭の後から天使とあたしは付き合っていることになっている。

やっぱり『好きな人』と『キス』の札を引いたことか大きいのかもしれない。


「一緒に帰ろう」


そこに居るだけで目立つのだから、一緒にいたら女子の標的になることは間違いない。ハイエナどもにみすみすエサをくれてやることはない。


「七海と約束しているの」

「彼女がここにいるって教えてくれたんだよ」


あいつめ人の情報を売ったな!

ここは図書室だ。天使から隠れていたのに場所を教えやがって!

体育祭からこっち天使がまつわりついて困る。こっちとしては女子の標的になりたくないので、なるべく関わりたくないのだけれど、向こうからやってくる。


「色々協力してくれたし、いい友達だね」