ふわふわした髪に、大きな瞳。


ぷっくりした頬は、もちろんバラ色だ。


間違いない。


これは、天使だ。




司と初めて会ったのは、つばさ保育園のすみれ組だった。


それが、あたしの一番古い記憶で、一番インパクトのある出来事だった。


小さい頃から絵本を読んでもらうのが大好きで、その中でもお姫様や王子様、天使やお菓子が大好きだったあたしは、となりのママの服を引っ張って『天使がいるーーーーー!! 』と奇声をあげた。


たちまちすみれ組の中はざわめいて、ドン引かれていたのにもかかわらず、とことこと天使に近づき、


「名前なんて言うの? あたし結香」


と名乗りを上げた。