…とある休日。


アユとシマシマのライブの帰り。



「あーもう声ガラガラ!

でも超よかったね!!」


「…だな。腕いてー」



ライブTシャツ姿で首にはタオル、足はフラフラ。


燃え尽きたあとの達成感のようなものに包まれて、駅のホームで二人電車を待ってた。



だけどその時間はすごく電車が混んでいて。


到着と共に押し出されるように降りてくる乗客。


アユに手を引かれてギュウギュウの車両になんとか無事乗り込んだ。



「わぁ〜、すっごい人…」


「やべぇな、これ」



背の低いあたしは今にも押し潰されそう。


だけどアユがすかさずあたしをドア側に誘導して、押し合う人達の盾になってくれた。



「あ…ありがとう」


「いや、危ねぇし」