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「嵐ちゃんの運転荒い!落ちそうになったし!」


「バーカ。わざとだっつーの!」


バイクが停車した途端、開口一番にそう言ったあたしににやりと意地悪く笑う嵐ちゃん。


そんな嵐ちゃんに文句を突き付けながらも大人しくバイクから下ろして貰い、すぐ後に到着した優音達と一緒に玄関へと向かう。





「ただいま~」


玄関に入るといつもの様に大きい声でご挨拶。


「おかえり~早かったね~」


それにいち早く出迎えてくれたのは時人くんだった。

プラス、フーコとジュニア。


最早恒例になりつつあるジュニアの顔面飛び付き攻撃を上手く回避し、背中でキャッチする。


ジュニアを見た妃奈は「可愛い!」とおおはしゃぎし、ツンツンと頭を突っついてはじめましてのご挨拶。



「はじめまして。えっと、妃奈ちゃんでいいのかな?」


ジュニアと戯れている妃奈ににっこり笑顔で話し掛ける時人くん。


「え?あ、はい!はじめまして、妃奈です!えっと……?」


突然話し掛けられた妃奈は慌てて身体を起こし、時人くんを見上げて首を傾げた。



「時人です。よろしく」

「よ、よろしくお願いします!」


……うっわ~、時人くんの爽やかスマイル炸裂。


流石の妃奈もこの笑顔にはやられた様で、身を縮こませながらほんのり頬を染めている。



「時人、チビ、飲みモン買ってきてやったぞ」


買い物袋を見せながら家へと上がり、リビングに向かって歩いていく嵐ちゃん。


その後ろを優音と時人くんがついて行き、あたしと妃奈は一先ず荷物を置きに二階の部屋へと向かった。