「凛ー音ー!!早く来いよー!!」


「あっ!」


ヤバッ!早く行かなきゃ!!



一階から聞こえてきた優音の怒り気味の声にガバッと勢いよく飛び起きて、「ごめーん!すぐ行く!」と二人に聞こえるよう叫んだ。


急いでベッドから下りて、クローゼットから適当に服を取り出す。


どうせまた後で着替えるんだし、これでいいよね。


色気もクソもない普通のTシャツとショーパンに素早く着替えて、長い髪の毛を一つに纏める。


そして、脱ぎ捨てたばかりのパジャマを手に持って部屋を飛び出した。






「凛音、遅ぇーよ!」


リビングに入ると、じろりと睨んでくるご機嫌ナナメな優音くん。


取り敢えず謝っておこうと「ごめんごめん」と軽い口調で謝ると、「あっ、コレ美味しそ~」と直ぐに話題を逸らした。



「凛音、味噌汁持っていってー」

「はーい」

した
タイミング良く貴兄に呼ばれ、その場からソッコー退散。


キッチンに走っていくと、


「早く下りて来ねぇから優音様がご立腹だぞ」


貴兄がコソッとそうぼやいてきた。



「何であんなに機嫌悪いの?」


「腹減ってんだろ」


「えぇ~、それだけ~?」


お碗を受け取りながら顔を顰める。