何とも不審な神野くんでしたが、なぜか突然機嫌が直りました。男の子って不思議ですね。時々雷斗くんにも同じ現象が現れます。

 春になったらなんて言ったけど、春になったら私たちは2年生になって、クラス替えがある。
 そしたら、神野くんとクラスが離れてしまうかもしれない。

 …それは、いや、だな…。

 素直に感じた思いに自分で驚いて、顔が赤くなる。

 どうしちゃったんでしょうか。今日は朝からおかしいみたいです。

「晴野、顔赤いぞ」

「き、気のせいですよ!うん、気のせい!」

 神野くんに指摘されて慌てて取り繕います。

 本当に、どうしちゃったんでしょう。お母さんに相談しなくてはです。

 そうしている間に、家に着きました。神野くんは寄るつもりはないらしく、すぐに帰って行ってしまいました。

 手を振って見送り、神野くんの背が見えなくなってから家の中に入ります。