好きだ、好きだ好きだ好きだ。


頭の中がその言葉で埋め尽くされるくらい。


何をしていても雪の表情が、匂いが、仕草が、声が、一瞬たりとも離れないくらい。


好きだ…好きだっ…ーー頼むから、頼むから…誰か代わりに、雪を幸せにしてやって。


そばにいて、守ってやって。


最大級の愛情を、雪だけに与えてあげて。



ーーなんて…、本当はそんなこと、思ってもいないくせに。



【どうして俺じゃダメなんだよ】



今にも口から零れてしまいそうなその言葉を、俺は必死に飲み込むしかなかった。