中学3年生になった今
実に平凡な毎日を送ってきた私に
不思議な力が宿った

気づいたのは
中学校の体育祭でのことだった…

白組と紅組があり私は白組に所属していた。私は白組の応援団長、「てるながしゅうが」の事が誰よりも大好きだった。それは、中学1年生からだった。彼には彼女がいる。彼女は『あかねらこ』。らこは、私がしゅうがの事を好きだという事を知っていた。

らこは私と同じ、吹奏楽部に所属していて、ホルンをしていた。はじめて好きだということを打ち明けたとき、らこは、応援してくれると言ってくれた。話していることがバレないように、ニックネームを一緒に考えてくれたり、バレンタインには、チョコレートを渡しに行く時に、一緒について来てくれたりもした。すれ違った時には、「あ!いるよ!」と、しゅうが がいることを伝えてくれたりもした。

…しかし
彼女は中学2年生、しゅうがと同じクラスになったとたん、応援してくれなくなった。私とらこの間には何か、間があったのを薄々感じていた。
そして、見つけてしまったのです。
らことしゅうがは、部活の帰り道に手をつないで帰っていた。
うそだと思った。何かのバツゲームなんかじゃないのかって、たくさんたくさん考えた。それでも、頭によぎるのは、「つきあっている」ていうことだけだった。私は泣きじゃくった。友達の横で帰り道に大粒の涙を、ながしながらかえった。友達は「大丈夫だよ!付き合ってなんかないよ!」と横で何回も言っていた…

翌朝、らこのまわりには人だかりができていた。「なに!?あのたくさんに人!」そう、私は友達に聞くと、「らことしゅうがつきあっているんだって!」

チャイムがなった。
教室のみんなは、何事もなく朝学、読書をして、朝の学活をすごしていた。
頭が真っ白だった。なにも考えられず、本で顔を隠ししずかに、しずかに、泣いた。
「おめでとう…」