「…ぅ」

…私は、どうなったんだろう。…体はなんともない。痛くもない。…赤ちゃんは?

パッと目を開けると、私の目に飛び込んできたのは背広と、ブルーのネクタイ。

「…修二、さん?」
「…」

顔をのぞけば、修二さんで…私を助けてくれた。でも、私の声に、反応がない。

「…やだ、修二さん!起きて!」

私は、必死に修二さんの胸を叩いた。


「…死んじゃダメ!」

いつの間にか涙が流れていて、私は修二さんを何度も叩いた。

「…勝手に殺すなよ」
「…」

頭を少し打ったらしく、一瞬脳震盪を起こしていたが、修二さんが目を覚ました。

頭を押さえながらゆっくりと起き上がり、私を片手でギュッと抱きしめた。