「ただいまぁー」

家の玄関ドアを開け、力なく言った。

ローファーを脱いでいると、お母さんがキッチンから顔を出した。


「あ、めいちゃんおかえりなさい!…あら、元気ないね、どうしたの?」


お母さんはいつもニコニコしていて優しい。

「うん、ちょっとテストの出来が悪くて。」


素直に答えた。

普通の家族だったら、テストの出来が悪かったら怒られるのかな。こそこそ隠したりするのかな。


「あら、それで元気ないの?今日の夕飯、ハンバーグだから食べて元気だしてね。」


やっぱりお母さんは優しい。


…私の成績にも頭の出来にも、本当は興味がないからだ。