朝餉も食べ終わったので、部屋に戻り束の間の休息を取っていると


「御堂、いるか」


と障子の向こうから土方副長の声が聞こえてきた。



「はい!」


返事をすると障子がカラリと空いた。


「何用でしょうか?」


「...」



どうしたのだろう。
じっと私を見つめている。


しばらく私を見つめたあと、はぁ...とため息をついた。


「お前、斎藤と稽古したらしいな」


「はい...今朝ご指導いただきましたが」


「斎藤からはお前に1本取られたと聞いているが?」


ぎくり。

やはりぽっと出の新人が組長から1本取るなんて、生意気だと思われたか...。



「...そう、ですね、事実です。」


「はぁ...一体お前は何者なんだ...?」



何者と言われても...本当にただの一般庶民ですが...。

まあ疑われてもしょうがないだろうな。

逆の立場だったら私みたいな奴怪しすぎる。