Yuusuke side


美しい料理を。
美味しい料理を。

常に料理のことを考えている。

料理がどんなに美味しくても、サービスマンのサービスによって評価も変わる。
それが俺の信念。
なにより、このホテルのこのレストランのサービスマンは、笑顔がない。やる気がない。丁寧さがない。
動きは一流かもしれない。
でも、心がない。


そんな中、見つけた。
調理場に不安そうな顔をして入ってきてオーダーを通す。
そして必ず盛り付ける時にやってきて、俺が盛りつけるのをみて、ふわぁーっと笑顔を浮かべる。
同じ料理でも、何度見ていても。
絶対に、顔を綻ばせる。


いつしか、彼女を目で追っていた。