シエルと想いが通じ合ってから幸せな時間が過ぎていく。家族に対する想いはやっぱり消えないけど、泣かないで笑っていられるのはシエルが傍にいてくれるから。シエルだけじゃない。ジョシュさんやラキ、みんながいてくれるから。

幸せなのは間違いないけど、最近悩みがある。それはシエルが甘々だという事。二人期の時だけならまだしも、ジョシュさんが居ようがラキが居ようが、誰が居ようがお構いなし。みんなはそんなシエルの様子に慣れてしまったみたいだけど、私はいつまで経っても慣れない。未だに恥ずかしくて緊張してしまう。


「はぁ……。」

「溜息などついてどうなさったんですか?」

「早く余裕のある大人の女性になりたいなと思ってさ。」


シエルに釣り合っていないどころか、抱きしめられてもキスをされても恥ずかしくて固まっちゃうなんて……恋人失格だよね。

きっと……いや絶対シエルはモテる。それも気品があって大人の色気のある女性にモテモテだと思う。


「大人の女性の定義など皆それぞれ違いますし、それほど焦らなくとも宜しいのではありませんか?」

「んー……そうなのかな?」

「ご心配なさらずとも、ルカ様はとても魅力的な女性でいらっしゃいますよ。 だからこそシエル様はルカ様に惹かれたのではありませんか?」


こんな私の事をラキはいつも励ましてくれる。


「ラキは優しいね。」

「あら、本当の事ですもの。」


私にとってラキは友達であり、姉の様な存在。そんなラキの言葉はとても心強くて、自信を持たせてくれる。