今日は初めてラキとテラスでお茶をしている。

ずっと部屋で過ごしているのは退屈だろうからと、シエルがテラスに行く事を許してくれた。それから、花が好きだという話をしたら、温室にも行っていいと言われた。ただしシエルの許可が出ている相手が一緒じゃないと、部屋を出てはいけないと言われている。一人で自由にというわけにはいかないけど、それでも部屋から出られるのは凄く嬉しい。


「本日はとても良いお天気ですね。」

「うん。 外でお茶をするにはうってつけの日だね。」


部屋を出てここに来るまでの間、すれ違う人たちからは異様な目で見られた。コソコソと話している人もいた。覚悟はしていたけど、顔を上げては歩けなかった。けどそんな私の隣でラキは安心させるようにニコニコと笑ってくれていた。

シエルの命令とはいえ、私と一緒に居る事でラキも色々と言われているだろう。それなのに変わらず接してくれる事が嬉しかった。


「ここのテラスはどなたでも入れる場所ではないのですよ。」

「そうなの?」

「はい。 位の高い方しか立ち入る事を許されていない場所です。 使用人はそういう方と一緒でなければ絶対に入れません。」


本来なら私も入れない場所。

ここなら好奇の目にさらされないから許してくれたのかな?

何処に居てもシエルの優しさを感じる。どうしようもなく胸が熱くなる。優しくされればされる程、勘違いしてしまいそうになる。


「僕もご一緒してもいいかな?」


声を掛けてきたのは、金色の髪の毛にダークグレーのクリクリした目の可愛らしい男性だった。

シエルとジョシュさん以外の純血を初めて見た。