目を覚ますと、目に映ったのはまた同じ天井だった。


「夢……じゃなかった……。」

「現実を受け入れろ。」


体を起こすと、ソファーに座っているシエルと目が合った。綺麗な顔立ちをしているが、彼の牙を思い出して背筋がゾッとした。


「顔を洗ったら隣の部屋に来い。」


そう言うとシエルはそそくさと部屋を出て行ってしまった。一人になった途端、フッと肩の力が抜けた。

顔を洗ったらって……どこで洗えばいいの?

部屋を見渡すと、シエルが出て行ったドアの他にもう一つドアがあった。

ベッドを降りるとベッド下にはご丁寧に靴が並べて置いてあり、その靴を履いて見つけたドアへ向かって歩いた。そのドアの奥はバスルームになっていた。

顔を洗って隣の部屋に行くと、テーブルには豪華な食事が並べられていた。


「おはよう。」

「あ、おはようございます。」


時計の針は8時前を指しているけどカーテンは閉めきられていて朝か夜か分からなかった。けどジョシュさんにそう言われ今は朝なのかと思った。


「ボーっと突っ立っていないで座れ。」


ジョシュさんの隣に座ると、何故かシエルにムッとした顔をされた。