いつもあの子は、周りを優先する優しい子だった。


自分のことは顧みず、いつだって周りのために動いていた。



あたしはそんな純恋を、生まれてからずっと見て来た。



「凛、あのな、私……康介が好き……かも。」



中学2年になってすぐのあの日


純恋は真っ赤な顔で、あたしに話して来た。



「……知ってるけど。」


「えぇっ!? 嘘!!」


「嘘ついてどうするのよ。」



あたしの名前は、尾方凛(おがた りん)


純恋の幼馴染ってやつで、いつも一緒にいた。



「なんで!? なんで知ってるわけ!?」


「だって純恋、顔に出てる。分かりやすすぎ。」


「うそーっ!?」