しばらく放心状態で翔吾のそばから離れる事のできなかったあたしだけれど、どんどん酸素が薄くなってゆく部屋に、ゆっくりと体を起こした。


翔吾は自分の命を捨ててあたしを守ったんだ。


ここで死ぬわけにはいかない。


そう思い、立ち上がる。


翔吾の死体をこのままにしておくのは嫌だったけれど、あたしの力では部屋の外まで引きずって出るのが精いっぱいだった。


部屋を出ると、あたしは翔吾にキスをした。


ここで死んでいった死体がまともに埋葬されるなんて思えない。


豚のエサになっている可能性だってある。


そう思うと、また涙が出てきた。


「翔吾……あたし、ここから出たら……絶対に《mother》を潰す!!」


そして、翔吾や死んでいった人たちの敵を取る!!