「はいはい、無理した罰ね」



涙を溜めて必死にイヤイヤを繰り返す季蛍に吸入を渡す。



「少しここで落ち着きなさい。…ね」



「……やだッ」



「俺は止めたよ?走るな、って」




「だって…急患も急変も…行かなきゃだから…ッ」



「薬を飲んでればこんなことにはなりません」



「ごめんなさ…ッ」



何度ゴメンナサイを今まで聞いてきたことか…。



「謝る前に落ち着いて。…吸入して楽になってからお説教するから」



「……」