「ただいまー」 リビングに入ると、机には綺麗に夕食が並べられていた。 「愛優が作ったの?」 「ううん、私じゃない」 「季蛍?」 「うん。今…寝室だけど」 「…どうかした?」 「仕事するって言ってたけど…」 「そう」 「夏来、もう寝ちゃったけどちゃんと薬飲んでたよ」 「ほんと、よかった」 荷物を下ろして夏来の眠る部屋のドアを開けると、スースーと寝息が聞こえた。