「…っはぁ」



薬と水を飲み込んでため息をつく。


昨日から怪しかった喘息の発作が今に出てもおかしくないくらいだ。





夏来が喘息を出してから、心なしかキツイような気もする。



もうすぐ帰宅できるというところで発作が出ると、厄介なことになるから…できれば避けたいけれど。




診察室の片付けを進めていたら、看護師が扉を開けた。



「季蛍先生お疲れ様です」



「あ、お疲れ様!」




「お疲れですか?顔色真っ青です」




診察室の紙束を抱えて、看護師は首を傾げる。




「ん、大丈夫。明日も外来あるし…」



「旦那さんに怒られない程度に…ふふ、お疲れ様でした」




そう言って診察室を出ていく看護師。



「……怒られない程度」



…今もしも蒼が知ったら怒るのだろうか