「俺は、誰も好きにならない」






「俺は、誰も信用しない」





楓くんの声が何度も浮かぶ。
悲痛な悲しい冷たい声。


フラれたような気持ちになって気分が沈む。


ような、って・・・フラれたのか、私。



男の人が苦手な私が。
好きだと思えた人。



「楓くん・・・」




呟く名前が寂しくて。
これが、恋の痛みなのか。



不思議だ・・・。
辛いけれどどこか嬉しい。



そんな気持ちに戸惑う。