『今売出し中のモデルKAEDEですが、すごい人気ですね!』

『メディアには一切出ず、プライベートも一切明かさずの謎多きところもまた人を惹きつけるのかもしれないですね』



テレビでコメンテーターがKAEDEの事をネタに盛り上がっている。
KAEDEの人気はめまぐるしく、一種の社会現象のようになっていた。


―・・・大げさ



あの時のたった一言が、胸に引っ掛かる。
それまでの優しい声とは違った。

いったい、どんな人なんだろう。



気にしたところで、もう私が彼女と会うことはないだろうけど。




「あ・・・」



日曜日。
私はいつもの公園に向かってた。

その公園で、この間のあの人の姿を見つけた。



ど、どうしよう。
この間、思い切り逃げ出してしまったのに。


どうして考えなかったんだろう。
今日も彼が来ているかもしれないこと。


仕方ない、今日は諦めて帰ろう・・・。