「そんな…誕生日辛すぎます」

その言葉を聞いて私まで胸が苦しくなった。

先生に、こんな辛い過去があったなんて

すると睦月君が慌てたように
私の服をグイグイと引っ張ってきた。

「どうしたの?睦月君……?」

不思議そうに尋ねようとしたら
ゾクッと背筋が凍った。

何?この殺気……?

恐る恐るその方向を見ると先生が
凄い怖い表情で
腕を組ながら立っていた。

明らかに怒っているのが分かるぐらいに

ビクッと身体が震える。

どうしよう……話を聞かれちゃった!?

『もしもし?涼花ちゃん?』

浜野さんが呼んでいるが……それ所ではなかった。

先生は、怖い表情のまま無言で
私に近づいてきた。

ビクッ!!

するとスマホを強引に取り上げられ
電話を切られた。

あぁっ!?消しちゃった!!

消した後……ポイッと私に向かって
放り投げられる。

慌てて受け取ると先生は、
ギロッと睨み付けられ

「……誰の誕生日が辛すぎるって……?」

そう質問される。

うっ……応えられずに黙り込んだ。
沈黙な空気が流れた。

怖い……凄く。

「お前……誰の断りもなく
勝手に人の誕生日を探っているんだ?」

「それは……」

どう言い訳したらいいか分からず黙り込んだ。

「俺は、誕生日になんて興味がないし
祝られてもこれっぽっちも嬉しくねぇ。
むしろ迷惑だ!
二度と俺の聞こえる範囲で
誕生日の話をするんじゃねぇーぞ!?
分かったか?」

「は、はい!!」

あまりの怖さで声が裏返ってしまった。