目が覚めると、カーテンの隙間から、うっすらと光が漏れていた。

身体を起こしかけて、ぼんやりしていると
眠る前に聴いたメロディーが耳に流れ込んできて、音を辿るとパソコンの画面が明るいままになっていた。

(やばっ、あのまま寝ちゃったんだ…!)

慌てて電源を落として携帯を見ると
ルーカスさんから返信が届いていた。

「確かに年を重ねるたび
好きになりそうな曲ですね。

とても日本語の勉強になります」

あっさりとした文章に
自分が送ったメールは変じゃなかっただろうかと一瞬にして不安になる。

一言、よかったです。って返すのもなぁ…と悩んでいると
扉の外で兄が階段を降りる音が聞こえた。

ふと時計を見ると、
いつも起きているはずの時間を30分ほど過ぎていた。