心美と別れたあと晩御飯の材料を買いにスーパーに寄っていたら、すっかり遅くなってしまった。

お兄ちゃん、もう帰ってるかも…

なるべく急いで玄関の扉を開けると
そこには兄の靴と一緒に、見慣れない茶色の革靴が並んでいた。

あれ…お客さん?

一体誰のだろうかと瞬きを落として「ただいま」と告げた途端、私の声を追うようにバタバタとリビングから足音が響いてきた。